制作ワークショップ
「E9を知ろう」
講師:あごうさとし(THEATRE E9 KYOTO芸術監督)
E9を作ることに至った経緯、作るプロセス、地域との関係などを伺いました。
この5年程度の間に、京都市内ではたくさんの劇場が休止や閉鎖してしまいました。そんななかで、プロジェクトを立ち上げ、莫大な資金を調達した流れ(クラウドファンディングなど)、地域の方の理解を得るために行った説明を行った事、倉庫を劇場として改装していく過程など、様々な視点からE9について知ることができました。
そのあとは実況してもらいながらのE9ツアー。 観劇に行った時には見ることができない、コワーキングスペースの中も見せていただきました。
「集客のモチベーション」
講師:蔭山陽太(THEATRE E9 KYOTO支配人)
実は依頼したときは、『集客の技術的なことのレクチャーをお願いします』とお伝えしましたが、内容を考えていただいたところ、『細かいケースについてはそれぞれの劇団の規模などによっても違うので、モチベーションや例をお伝えするのがいいと思う』ということになり、「集客のモチベーション」という内容になりました。
・どうやってチケット代はきまるのか?
・集客することとは?
・顧客関係性を作るための手段は?
といったことをご自身の制作経験から語っていただきました。
最後には
「私たちの身の回りには膨大な数のまだ演劇を知らない人たちで溢れている」
「集客のために何より大切で、不可欠なことは「見てもらいたい!」という強い気持ち」
という当たり前のようで、忘れがちなことをお聞きし、しめくくりとなりました。
「制作のしごと」
講師:渡邉裕史(制作者)
渡邉さんはフリーで制作者をされています。「制作ってなに?」というスタートから、制作の仕事は多岐に渡っていて、ご自身も”いつから制作を始めたのか”判断が難しいほどだそうです。
制作には3つのタイプがいる、バランサータイプ・オフェンスタイプ・ディフェンスタイプ。それぞれの得意・不得意を見極めて、潰れないように続けましょう、「全部できなくたっていい」という継続にはとても大切なお言葉を頂きました。
集客に関しては、「やれることを落とさずやる」ことの大切さをお話しいただきました。リリースの作成についても触れていただき、”誰に届けたいのか”を大切にして書く必要があるという技術的な話もお伺いしました。
「劇団の制作」
講師:黒木優花さん
(akakilike制作/京都府文化芸術課職員)
今年3月に大学を卒業されたばかりの黒木さんには、劇団の制作とはどんなものかというお話をしていただきました。また参加者と一番年齢が近いため、劇団制作になった経緯、大学の公演制作と劇団制作の違いなども語っていただきました。
大学での制作以上に、劇団の制作で意識することは「社会とのつながり」。”公演を打つ”という目的に加えて、”なぜ、今、このテーマで、誰に向けて”などをより考える必要があるとのことでした。
「大学在学中から今にいたるプロセス」
講師:福森美紗子さん(E9事務局/劇団三毛猫座)
学生時代にどのように演劇に出会い、演劇に興味を持ち、職業とするに至ったかをお話していただきました。
福森さんは学生時代、演劇ではなく、現代アートを学ばれる中で、サークル活動としてミュージカルの照明を担当されていて、その延長としてKYOTO EXPERIMENTのスタッフや、アトリエ劇研のワークショップなどに参加したそうです。そして、演劇のアートマネジメントや制作に興味を持たれ、ご自身の学ばれる現代アートとの両立に悩まれたそうです。
積極的に劇場のインターンに行き、その後、休学・留学を経て、アーツシード京都にてアルバイトを始められ、今に至る、とのお話でした。
演劇を仕事にしたいと思ったら、学生のうちに積極的に自分から動くことが可能であり、体験してから悩むことができるということを教えてくださいました。
最後は質問コーナー
時間を過ぎていたのに、講師の皆さんが残ってくださり、質問コーナーを行いました。
学外で公演を打つにあたって気を付けることとは?という質問には、皆さんが「わからないことをそのままにしないこと」とお答えされていたのが印象的でした。